
” 実務に即した率直な対話ができたことが、予算・納期・品質のバランスを保ち、プロジェクトを円滑に進められた理由の一つだと感じています。”
バイオマテリアル事業本部 医療機器管理室 マネジャー 市川 謙様(写真右)
バイオマテリアル事業本部 医療機器管理室課長 中平 陵様(写真左)
シーオスが提供したサービス・プロダクト
特殊な新規事業に対応できる販売管理システムを構築し、既存ERPとの連携や将来のRFID導入も見据え、要件定義から導入まで実務視点で丁寧に推進
- 販売管理システムの構築・導入:一般的なERP(基幹システム)やWMS(倉庫管理システム)では対応しきれない、受注・発注・売上・請求などの商流処理までをカバーする「販売管理システム」を提供。
- ERP連携構築:既存の基幹システム(ERP)と連携し、業務プロセス全体をシームレスに統合。
- 業務要件定義から設計・導入までの一貫したプロジェクト推進:ミーティングを重ねながら、要件定義〜設計〜導入までを丁寧に実施。シーオスの現場経験に基づくリアルな運用知見を活かし、実務ベースでの会話・提案を進めた。
- 将来的な拡張性への提案:RFP範囲外の将来的な拡張性を見据えた提案も実施。
業務上の成果
新規事業を支える、現場目線な実践的オペレーション&システム構築
- 倉庫運用の知見を活かし、貸出・返却という特殊な業務形態に対応した最適なオペレーションとシステムを構築。新規ビジネスの立ち上げをサポート。
- 類似システム導入企業での実績を基に、既存ERPとの連携を実現。業務全体の整合性を確保しながら、運用開始後も安定した業務推進が可能に。
- 予算・納期・品質のバランスを保ったプロジェクトマネジメント。必要要件の優先順位を丁寧に整理し、コストと納期を遵守しつつ、実現すべき機能を的確に反映した。
- 実務に精通した担当者による“共通言語”での会話を可能にし、顧客側の悩みにリアルに対応。
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会社名 | 持田製薬株式会社 |
業界 | 医薬品等の販売および輸出入 |
従業員規模 | 1,000名-10,000名 |
「先見的独創と研究」を社是に掲げる持田製薬グループは、「絶えず先見的特色ある製品を開発し、医療の世界に積極的に参加し、もって人類の健康・福祉に貢献する」という企業理念のもと、医療・健康ニーズに応えていきます。事業活動を通じて企業としての価値の提供に取り組み、その活動を通じて、持続可能な社会の実現にも貢献していきます。
持田製薬株式会社様の課題背景
~新規事業立ち上げに向け、従来システムでは対応しきれなかった業務とシステムの再設計に挑む ~
ー どんな背景がありましたか。
中平様(持田製薬株式会社)「持田製薬では主力の医薬品関連事業とヘルスケア事業に加えて、バイオマテリアル事業に取り組んでおります。取り扱う製品は、病院でいうところの外科や整形外科の領域における医療機器の分野で、特徴的なのが「貸出ビジネス」という形態です。簡単に言うと、医薬品のビジネスでは、製品を製造し、売り切りを前提として出荷・販売するのが一般的です。それに対し、医療機器製品を病院に貸し出し、実際に患者さんの手術などで使用された場合にのみ売上が発生するという仕組みになっています。」
主力の医薬品関連事業とヘルスケア事業に加えて、次世代の柱の一つにするべく、バイオマテリアル事業に取り組んでいます。なかでも、様々な医療への応用が期待できるアルギン酸を基盤としたバイオマテリアル事業の各プロジェクトを推進・展開しています。
出典:持田製薬 バイオマテリアル事業 https://www.mochida.co.jp/company/domain/biomaterial/index.html
ー 新規事業の立ち上げにあたり、具体的にはどのような課題がありましたか。
中平様(持田製薬株式会社) 今回の新規事業では、出荷後の返却工程までを含む特殊なオペレーションが求められます。これまで当社には、こうした「貸出し型」の業務に関する知識や経験が十分ではなく、対応に課題を感じていました。一般的なWMS(倉庫管理システム)や販売管理システムでは、このようなビジネスモデルに対応しきれない点も多いです。現在、当社では基幹システム(ERP)を導入していますが、今回の取り組みでは不十分であると判断しました。そこで、既存のERPに加え、専門的な外部システムを新たに組み合わせることで、新たなオペレーション体制を構築しようと考えていました。このような背景のもとシステムベンダーの検討を進めてまいりました。

三橋(シーオス株式会社) 「今回作った仕組みは販売管理システムという名称になっています。一般的にWMSは倉庫管理の仕組みですが、販売管理システムというのは、そこに対して受注・発注・売上・請求といった商流の処理も含めた構成となっており、ビジネス全体をカバーするものです。今回はその商流処理も含めてまして販売管理システムという形でご導入させていただきました。」

シーオスの支援を決めたきっかけと実際の効果
実績に裏打ちされたシーオスの提案と 拡張性への期待は大きな決め手に。
ー どのように業者選定をしていきましたか?
中平様(持田製薬株式会社) 「RFI(情報提供依頼)やRFP(提案依頼)を通じて複数の企業様にお願いしておりましたが、その段階では、まだシーオス様にはお声がけしておりませんでした。QCD──すなわちコスト・品質・納期のバランスを重視しながら慎重に検討していました。加えて、今回の「貸出ビジネス」に対応するためには、既存のシステムに対して多くの機能追加が必要となり、「納期を優先すればコストが上がる」「コストを抑えれば品質が下がる」といったトレードオフの中で、判断が難しい状況が続いていたのです。
そんな中、シーオス様に相談してみることになりました。前職を通じてご縁があったこともあり、これまでビジネスとしての接点はなかったものの、初めて具体的なお話をすることになったという経緯です。」
ー シーオスを選んだ決め手は何ですか?
市川様(持田製薬株式会社) 「当社として、薬事承認の時期には一定の想定があり、それに合わせビジネスを立ち上げたいという明確なスケジュールがありました。そのため納期に間に合うことは、譲ることのできない必須条件でした。また、今回のご提案が単なる机上の空論ではなく、実際に導入され成果を上げているのか、そして、我々の新規ビジネスに本当に適用できるのかという点についても、慎重に確認をしていました。そうした中で、シーオス様より類似システムを導入された企業を紹介いただき、実際に担当者から直接お話を伺う機会を設けていただきました。印象的だったのは、ERPとの連携が確実に構築され、問題なく運用されていたという実績です。これは当社にとって大きな安心材料となりました。」
ー 提案を受ける中で、印象に残っているやりとりがあれば教えてください。
市川様(持田製薬株式会社) 「今回、我々がRFPで提示した内容の範囲を超え、「こういった取り組みを加えることで、より良い運用が実現できる」といった提案もいただきました。特に、現時点では導入を決めていないRFID活用について提案いただき、「なるほど、そういう視点ややり方があるのか」と新たな気づきを得ることができました。こうした追加提案については、我々自身が十分な知見を持ち合わせていなかった領域であり、非常に参考になりました。

将来的にはそれらを取り入れることで、業務の質がさらに高まる可能性を感じています。もちろん、今回のプロジェクトですべてを導入することは現実的ではありませんが、今後を見据えた拡張性という観点では大変魅力的な提案だと感じました。」
シーオスとのプロジェクト推進
現場感覚を活かした「共通言語」で進められ助かった。業務ニーズに適したシステム構築とプロジェクトマネジメントの秘訣とは
ー ベンダーを決定されてから、どのようにプロジェクトを進行されましたか?
中平様(持田製薬株式会社)
「プロジェクト稼働後は、週に2回ほどの頻度で打ち合わせを行い、まずは要件定義から取り組みました。新規事業のあるべき業務における工程や、どのような作業が行われていくのか。それに対して必要なシステム機能は何か──を丁寧に確認しました。その後、シーオス様にて要件定義に基づいた設計フェーズを経ましたが、「この設計で本当に問題ないか」という打ち合わせを重ね進めていきました。基本的には、すべてface-to-faceで進めました。
一般的なシステム会社とは違い、シーオス様は実際の倉庫運用もされているため、現場をよく理解されているという印象を持ちました。我々が抱えている悩みについても“共通言語”で会話ができ、「こういうことってありますよね」といった現場感覚を共有しながら話ができたのは非常にありがたかったです。理屈だけの議論ではなく、現場主体の視点や実務に根ざしたリアルな会話ができ、「実際に手を動かしたことがある人」の観点から意見をいただけた、これが円滑に進められた一因だと感じています。
ー 重要だったと感じる要素や、印象に残っている意思決定はありましたか?

市川様(持田製薬株式会社) 「印象に残っているのは、要件定義フェーズの終盤です。さまざまな要望を出していく中で、すべてを盛り込めば予算をオーバーしてしまいます。そこで設計フェーズへ進む前に、どの要件を優先し、どの部分は削減するかを丁寧に整理・明確化していただきました。
「ここを削れば予算内に収まる」「この要件はシステムに組み込まずとも、業務側で対応をすれば問題ない」というような現実的な判断をしていただいたことで、最終的に本当に必要としていた範囲にきちんと収めることができました。」
三橋(シーオス株式会社)「まずはお客様に医療機器ビジネスの全体像や業務上の課題をしっかり理解していただくことが重要だと考えました。このビジネスがどのように成り立っているのか、業務上のどこに課題が多いのか、それらをどのような仕組みで解決していくのか――丁寧な対話を何よりも大切にしました。プロジェクトメンバーの皆様に確かな理解を持ってもらうまで、粘り強くコミュニケーションを重ねたことが、プロジェクトの推進力となったと捉えています。」
ー シーオスの立場としては、どんな点が苦労しましたか?
三橋(シーオス株式会社)
「本プロジェクトは、持田製薬様、ERPベンダー、当社 によるマルチベンダー・マルチプロジェクトとして進行しました。複数のベンダーが異なるタスクを持ち、並行して動くという複雑な構成でした。こうした環境では、ベンダー間のコミュニケーションが難しくなることも多く、意見や役割のすり合わせに苦労する場面もありました。そうした中で、持田製薬様の的確なリーダーシップがプロジェクトの成功を支えました。課題発生時には迅速な判断でリカバリーを図り、全体の調整や推進にも積極的に関与いただきました。その姿勢が、プロジェクトを着実に前進させる大きな原動力となったと感じています。」
販売管理システム稼働後
今後も頼りにできる長期的なパートナーシップを築けると確信した。
ー システム稼働後をしてからの状況はいかがですか?
中平様(持田製薬株式会社) 「実際に運用が始まってみると、「基本的なオペレーションは問題なくできる」と分かってはいたものの、使いながら「もっとこういう機能があれば…」といった要望が出てくるのは自然なことでした。
そのような細かい要望に対し、シーオス様のプロジェクトチーム、保守サポートのご担当者が丁寧に対応してくださっています。

納品後も、定期的にサポートの打ち合わせを重ねることで、柔軟に変更や調整を加えていただいており、実務に寄り添った姿勢に非常に助けられています。」
市川様(持田製薬株式会社) 「実際の運用を通して気づくことや、後から出てくる要望があるのは当然のことだと思っています。そうした点も含めて柔軟に対応いただけるので安心感があります。」
ー プロジェクトを振り返っていかがですか?
市川様(持田製薬株式会社) 「自社が「どんな課題を抱えていて、何を解決したいのか」という点が明確であることが重要だと感じました。その悩みや課題をベンダーへ率直にぶつけた際に、何らかの具体的な答えが返ってきたとき、こちらが納得できる“腹落ち感”があるかどうかが、最も大事なポイントではないかと思います。ベンダーさんはいろいろありますが、やはり「自社の課題をどう捉え、どう解決しようとしてくれるか」をしっかり議論し、その内容に納得できるかどうか──そこが見極めの基準になると、今回のプロジェクトを通じて強く感じました。」
ー シーオスはどんな人におすすめですか?
中平様(持田製薬株式会社) 「医療機器や貸出ビジネスのような我々の業界に限らず、「何か困りごとを抱えている企業さん」であれば、シーオス様のご提案は非常に有効なのではと感じました。というのも、シーオス様は現場目線を大切にされていて、現場に寄り添った提案をしてくださいます。実際、今回の開発の各フェーズでもその姿勢を一貫して感じることができました。「運用」「オペレーション」「システム面」で悩みや課題をお持ちの企業様は、ぜひ一度シーオス様にご相談されると、きっと良いご提案をいただけるのではないかと思っています。」
シーオスのプロジェクト担当者より
課題解決にむけて一貫サポートできる。単なるシステムベンダーではなく、ビジネス成功を支えるパートナーです。
ー プロジェクトを振り返っていかがですか?

三橋(シーオス株式会社) 「我々は、常にメンバーにも言っていることがあります。それは、シーオスは単なるシステムの導入ベンダーではなく、お客様のビジネスを成功させるために存在するパートナーであるということです。現時点ではようやくスタートラインに立ったばかりで、システムが安定して運用されることが重要であり、そのビジネスの成長に合わせた適切な改革プランを我々が提供するべきだと思っています。持田製薬様が真摯に取り組んでいることに対して、しっかりとお応えするためここからが本番である、その意識を忘れずに取り組んでいきたいと思っています。
ー 最後に
三橋(シーオス株式会社) 「お客様が抱えるさまざまな悩みに対し、我々はコンサルティング、システム導入、3PLなど、最適な解決策を提供してきました。システム開発や導入に加え、トップレベルのコンサルティングや自社倉庫を活用した3PL事業を展開しており、業界特有のノウハウを活かしたシステム開発が強みです。
「どこから手を付けたらいいか分からない」「既存のシステムでは限界がある」「生産性や自動化について相談したい」——こうしたお悩みに対し、まずは率直に私たちにぶつけていただければと思います。課題の本質を整理するところから始まり、必要に応じてコンサルティング、システム導入、さらには運用そのものまで、一貫してお手伝いできるのが私たちの強みです。

近年では、CLO(Chief Logistics Officer)という役職の方も増えており、ロジスティクス戦略の重要性が一層高まっています。そうした皆さまにとって、私たちは「シンクタンク」としての機能も果たせる存在です。戦略の立案から実行、そしてアウトプットの創出まで、伴走型のパートナーとしてご活用いただければと考えております。」
支援会社名 | 持田製薬株式会社 |
所在地 | 〒160-8515 東京都新宿区四谷1-7 |
URL | https://www.mochida.co.jp/index.html |
事業内容 | 「先見的独創と研究」を社是に掲げる持田製薬グループは、「絶えず先見的特色ある製品を開発し、医療の世界に積極的に参加し、もって人類の健康・福祉に貢献する」という企業理念のもと、医療・健康ニーズに応えていきます。 事業活動を通じて企業としての価値の提供に取り組み、その活動を通じて、持続可能な社会の実現にも貢献していきます。 事業内容:医薬品等の販売および輸出入 |
シーオス株式会社では物流に関する豊富な知識と経験で多くの物流改善を行って参りました。まずはお気軽にご相談ください。